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高齢化で増加中!?

2023.10.25

最近、相続の現場で、少し気になる変化があります。
それは 「相続人の高齢化」 です。

平均寿命が延びたことも理由の一つですが、
実は、もう一つ大きな背景があります。


相続人が高齢化する背景とは?

近年、次のようなケースが増えています。

  • 被相続人が独身だった

  • 子どもがいないため、兄弟姉妹が相続人になった

この場合、
被相続人が高齢 → 相続人も高齢
という構図になりがちです。

そして、そこで立ちはだかるのが——
「認知症」という問題です。


認知症の相続人がいると起こりやすい4つの問題

相続人の中に認知症の方がいる場合、次のような問題が生じる可能性があります。

  1. 遺産分割協議ができない

  2. 二次相続対策が難しくなる

  3. 不動産の売却・活用がしにくくなる

  4. 相続放棄にも手間とリスクがかかる

その前に、少しだけ法律のお話をします。


「意思能力」がないと、手続きは無効になる?

法律上、契約や遺産分割協議などの「法律行為」を行うには、
本人に 「意思能力」 が必要です。

意思能力とは、
自分の行為によってどのような権利・義務が生じるかを理解し、判断できる能力
をいいます。

認知症でも初期段階であれば意思能力が認められるケースもありますが、
ご家族が「大丈夫だと思う」と判断しても、
後から無効とされるリスクがあります。

まずは、医師の診断を受け、
意思能力の有無を客観的に確認することが重要です。


意思能力がない場合は「成年後見制度」

医師の診断などにより意思能力がないと判断された場合、
成年後見制度を利用することになります。

成年後見制度には、大きく分けて2種類があります。

任意後見人

元気なうちに、
「将来、認知症になったらこの人にお願いしたい」
とあらかじめ決めておく制度です。

法定後見人

すでに意思能力がない場合に、
家庭裁判所へ申立てを行い、選任してもらう制度です。

※相続人同士の利害が対立する場合には、
特別代理人 の選任が必要になることもあります。


【問題①】遺産分割協議ができない

遺言書がない場合、
相続人全員で遺産分割協議を行う必要があります。

しかし、認知症の相続人がいると、
すぐに協議を進めることができません。

  • 医師の診断書の取得

  • 家庭裁判所での手続き

  • 後見人・特別代理人の選任

これらには、相当な時間がかかります。


【問題②】二次相続対策がしにくい

配偶者が認知症で法定後見人が付いた場合、
後見人は「本人に不利になる協議」を行えません。

そのため、

  • 配偶者の相続分を調整して二次相続に備える

  • 小規模宅地等の特例を最大限活用する

といった 柔軟な相続対策が難しくなる ことがあります。


【問題③】不動産が売れない・動かせない

不動産が共有状態の場合、
売却には相続人全員の同意が必要です。

認知症の相続人がいる場合は、さらにハードルが上がります。

  • 本人が居住している不動産 → 家庭裁判所の許可が必要

  • 賃貸不動産でも、建替え・売却は慎重な判断が必要

結果として、
不動産の売却や有効活用が極めて難しくなる ケースも少なくありません。


【問題④】相続放棄にも時間とリスクがある

すでに後見人が選任されている場合、
原則として、家庭裁判所の許可なく相続放棄の申立ては可能です。

ただし、

  • 相続放棄が「本人に不利益」と判断されると、後見人が解任されるリスク

  • 後見人未選任の場合、放棄までに時間がかかる

など、実務上は 慎重な判断と専門家の助言が不可欠 です。


成年後見制度の「意外な盲点」

遺産分割が終わっても、
成年後見制度はすぐに終了できるとは限りません。

その結果、

  • 後見人への報酬が継続的に発生

  • 定期的な報告・書類提出が必要

「想像以上に負担が重い」と感じるご家族も多いのが実情です。


まとめ|認知症になる前の「準備」が大切

認知症になると、
本人だけでなく、ご家族も多くの制約を受けることになります。

だからこそ、元気なうちに終活を始めることをお勧めします。

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